血が混じった唾を吐き、
立ち去るゆうの背中を
あたしは虚しく見送る。


「有紗、大丈夫?」

「うん、平気…」

「あの野郎…」

「いいの!…ほっとこ」



無理して笑い、
あたしは聖夜の手を掴んだ。




もうこの頃から気づいてたんだ。

聖夜は気づいてた…
あたしの気持ち、全てを。



傷つけていたことを
あたしは知らなかった。


ズタズタにしていたのに…――。