「…………。」


「…………。」





続くのは、重苦しい沈黙だけ。




目の前で、あたしの事を睨んでいる石田さんの目。





……それが。綺麗だった。




「…………。」


「…………。」





何でこの目は。あたしを真っ直ぐに見つめているんだろう。




悲しみを含んだその瞳が、







あたしには、とっても美しく見えたんだ。






「………。」


「…神田さん。……今までは見逃してきてたけど、もう逃がさないからね。」


「…………。」


「むかつくのよ、…なにもしてないアンタが…!アンタなんか…!どうせ何不自由なく生きてんでしょ!!!?」



――ガシャーン…!……




そう言って、

あたしの椅子を蹴り飛ばした。





「……」






また沈黙が続く。




……これがいいんだ




皆があたしを軽蔑の目で見つめて。吉濱も嫌がればいいんだ…。





なのに…………








「…………お前、何言ってんだよ…!」

「え…?!っ陸……!」


「何言ってんだよ!!」




何で。あたしの計画を壊してしまうの?



どうして、あたしを照らしてくれるの?






……声がした方を見ると、扉の所に吉濱が立っていた。



手には売店で買ったと思われるペットボトルを持っている






そうか…………




保健室の後、吉濱は売店に寄ってからここに来たんだ…………





だから、あたしの方が早く教室に着いちゃったんだ…………。