だからあなたを捕まえたの
「…そっちこそ、何でアタシを引っ張ったの…。」
「……寂しいんだろ…?」
「…………」
「お前は。寂しかったんだろ?…そう思ったから、俺はお前を傍に寄せたんだ。」
あたしは「はぁ…」と溜め息をつく
『何なんだよ。コイツは。』
『勝手に妄想作ってんな!』
、って目で。あたしは吉濱を見る。
ホントは、愛しくて。愛しくて。たまらない。
胸がキュンって鳴って、何だか笑いたくなった。
でも。頑張ってソレを抑えて不機嫌な顔を作った。
吉濱に呆れてるような顔を。あたしは必死になって演じた。
そうでもしないと、泣いちゃいそうで。
笑ってしまいそうで。
好きって気持ちは。爆発してしまいそうで、心の中は『病気』と『好き』が。複雑に絡まっていた。
『病気』と『あたし』はがんじがらめに鎖が繋がっていて、
ソレを解き放そうと、『好き』って想いが膨らんでいるんだ。


