そうして行き着いた場所は、保健室だった。
――ガラガラッ
「あらっ!陸君?…神田さんも!!どうしたの!?」
「……ちょっとベット借ります。」
そう言ってあたしをベットに押し込む。
な、何故にベット?
吉濱は無言のままカーテンを閉めて、一つの個室を作った。
それからあたしの事をじっと見る。
「…………。」
「……吉濱?…」
「…………。」
「ど、どうしたの?」
「……っうぅ~!」
「はいっ!?」
なんか抱き締められてる!
うわ!超良いにおい…!
ってかドキドキがやばいんですけど!
「やった……!超嬉しい…!」
「な、何が…!」
「神田が俺に触ってくれた…!」
「えぇ!?」
「あ~!ヤバイヤバイ!超嬉しーー!!」
さ、叫んでる…!
そんな事で喜ぶなや…!
…あたしも嬉しいけど、
吉濱はあたしを少し離して。目線を合わせてきた。
凄い至近距離…
「神田。俺今。超幸せ…」
あたしの名前を呼んでくれた。
あたしの目を見てくれた。
声を。聞かせてくれた。
その時に感じた。『好き』って気持ちは。吉濱が初めてだった。
…何もかも。あたしの初めては吉濱だった。


