「離せって言ってるじゃない…っ!!」
「…………。」
「……っ!何とか言いなさいよ!!」
「…………あのっ……。」
分かんない……。
自分でも分かんないよ……。
初めてだから。
こういうのを何と呼んだらいいのか分かんない…!
「…っあ、の……!えっと…。」
言葉が見付からないあたしに。女子がキレはじめる。
「っ何なのよアンタ!!早く離せっていってるでしょ!!?」
「…………っ!」
女子が、あたしと吉濱の腕を強引にを離そうとしてくる。
…嫌だ。 嫌だ…!
離したくない。
傍に居たい…!。
……けど、そんな想いは儚い。
「あっ……!。」
あたしの手が吉濱の腕から離れる。
とてもスローに見える。離れる瞬間。
…………こんなにも。あたしにはあなたが必要だったんだ
……嫌だ。
離れないで。
…必要なの…………!。
――グイッ…!
その時。あたしの腕が素早く引っ張られた。


