ただ。生きるのに必死で。
「……あたしは。早く死にたいと思ってきた。それが、あたしの望みであり夢だった。」
「……うん。」
「でもそんなの。ただの誤魔化しだったんだ…。」
「…うん。」
皆との違いを沢山見つけたのに。
…同じところは一度だって探してない。
「…神田」
「…………」
「…………分かるよ。…俺だって、死にたくなんかない…!」
「…………。」
生きようとしなかった。
心臓病を言い訳に。生きるのに勝手に疲れていた。
「……俺だって。もっと生きたいよ…?。」
「…そうだよね。」
あたしだけじゃない。
毎日を。みんな同じように生きてる。
「生きる事に。意味なんて無い。」
「…うん。」
「神田も俺もクラスの皆も。毎日を悩みながら生きてる。」
そうだ。
あたしが苦しんでるとか、悲しんでるとかなんて。
一切関係ない。
あたし達がいるこの世界で。
皆24時間365日。
ひたすら生きている。
心臓病なんて関係ない。
胸の痛みも関係ない。
あたしも吉濱も。今、生きている。
皆で。おんなじ毎日を生きている


