それが。あたしをもっともっと悲しくさせた。
…吉濱にとって、あたしが必要になってはいけない。
…なってはいけない……っ。
だから皆と離れるんだ。
「神田は食べ物何が好きー?」
「…………。」
「俺は魚が好きー!!あ、でも納豆は駄目だな~…。」
「…………。」
まだ話している吉濱をよそに。あたしは考えた。
……『アンタなんか大っ嫌い!!』――
だから、皆や石田さんがあたしを「嫌い」だって言ってきたとしても
それがあたしの役目なんだと思う…。
そんなとき。ふと吉濱が言った。
「なー!、お前の心臓病って治んないの?」
「…………!。」
「な~。な~?。」
…………そういえば、あたしは知らない。
あたしの病気は治るのかなんて……。
最初心臓病だって分かったときは頭が混乱してて……。
だから、かわりに親が先生から話を聞いてくれたんだ。
その後は。親はあたしの病気について話題を出さないし、
出すのを嫌がっていた。
だからあたしも、あんまり追求しないようにずっと話を出してない。
「…………あたしは。」
「え?」
「何を知ってるんだろう…………」
「…………」
「いったい何を…。見てきたんだろう…っ……。」
……この頃あたしは。
自分がこんなにも無知だったなんて。知らなかった。


