「……神田。昨日は色々悪かったな!」
「…………。」
「あんな嘘ついちゃったし。神田を苦しい目にあわせた……。」
「……」
「…………俺は、何にも知らなかったんだな…。お前の事。……あんなに苦しんでるなんて知らなかった……。」
無視し続けるあたしをよそに、吉濱は話し掛けてくる。
あたしを気遣うような素振りはない。
皆に接するのと同じように。
「でも、神田は自分を見て…?……お前の命はもっと重くて、もっと求めてるんだからさ?。」
それでいて。あたしの事を分かっているように。
「……勝手に居なくなんなよ?俺、お前が必要だ…!」
そしてなにより。
あたしが捨てている『存在』を。きちんと拾ってくれる。


