…でも。





あの光をしっかり掴んだら、掴めたら。






凄い綺麗な世界が見えるんだろう。






明るく、暖かくて……。






「…………あたしには…もう見えない…。」




……光なんて。





もう見たくない。








「…あんなに照らしてくれるんなら、そんなのいらない……!。」




もう、手を伸ばしたりなんかしない。







吉濱も、もう見てくれなくていい…。







暖かすぎるんだよ…。











あたしは無くなるから。




吉濱に心臓病だってバレたから。きっと今まで以上に心配してくるんだろう。






心配なんていらない。





同情もいらない。






でも、






「…………ありがとう…」








あたしを見つけてくれて。ありがとう







もういいからっ…!。






充分なくらい、あたしを照らしてくれたから……!






『話してくれて。ありがとう…。』






その言葉を聞けただけで。もういい……





だから。










「…………っ話を聞いてくれて……ありがとう………。」







そう呟いて。あたしは机に寝そべる。





――…誰も居ない教室に、あたしの寝息が静かに聞こえていた――。