「やだ……。やだ…!。苦しまないで…!。」



「神田!?」



「あたしが苦しめばいい…!。石田さんは悪いことしてない……っ!!。だから、だから…!」



「神田!もう止めろ!」






吉濱はあたしの肩を掴んで。勢いよく揺らす。






けど、あたしは止めたくない…。




あたしのせいで他の人が苦しむなんて。
そんなの許せない。




あたしは石田さんをしっかりと見つめて言った



「石田さんは…、笑わなきゃいけないのっ……!。」



「え…………。」



「あたしの分も。泣いている誰かの分もっ。」



「…………。」



「お願い……!。あたしの事何かで苦しまないで……!!。」





苦しいってどんなことか。あたしは知ってる。





どんなに息を吸っても足りなくて。



どんなに望んでも叶わなくて。






「……あたしが代わりに苦しむから…。」



「…………っ。」



「あたしにはそれしか出来ないから……!。」




「っ神田…!」







フワッ……―。





再び感じた。人の温もり。






吉濱が、もう一度あたしを抱き締めてくれた。





ギュッ…………







それも。強く。







強く。強く。抱き締めてくる。







この強さが。あたしの温度を高めてくれる。






この光が。真っ暗なあたしを照らしてくれる。







「……ごめん…!。ごめんなさい……!。」



「ちゃんと自分を見て…、しっかり明日と向き合って……!。


     もっと求めて…?もっと甘えてよ…………」