やっと見つけた小さな光。
その光は、ずっと闇にいたあたしには眩しかった。
「…陸?」
「え?」
「…何、してるの…?」
…………眩しすぎたんだ。
抱き締められてた腕が緩んでいく。
そして体が離れたとき。再び訪れる冷たい風。
…やけに淋しかった
「…ねぇ陸?何してたの?」
…吉濱は人気者
整った顔立ちで、暗闇でも光る黒い瞳。
そんな人とあたしが。一緒に居た。
「何で陸が神田さんなんかと抱き合ってたのっ!?」
「…!おいっ、石田!とりあえず落ち着け!」
「ヤダよ!質問に答えて!」
暗闇の中。あたし達に気が付いたのは同じクラスの石田 美優【いしだ みゆ】だった。
今日。あたしを突き飛ばした二人の片方だ。
その石田さんは、出掛ける途中だったのか私服姿だ、
石田さんは怒っているような表情を見せ。吉濱を擬視している。
――…『神田さん“なんか”』
自分の大好きな吉濱が一緒に居て…ましてや抱き合ってた相手がこんなあたしなんて、
納得いかないんだろう。
でも。いつも一緒に居るじゃん……。
あたしが独りで頑張ってる中。石田さんは吉濱といつも笑いあってるじゃんよ…………!。
「意味分かんない!陸は神田さんの事好きなの!?」
「…………それは…。」
「…っもういい!!…………っ神田さん!!。」
ズイッと濃い顔を近付けてくる。
その顔は明らかにあたしを恨んでいた。


