しばらく考えにふけながら歩いていた、
すると
「おぉ…先生。」
……誰だ?
「!…後援会会長……、お久しぶりです」
確かこの人は……
…そうだ。
この前、僕のオペを見てた人だ……
「君、最近は大活躍してるみたいじゃないか。院長が君を誉めていたよ。」
「…ありがとうございます。でも、僕はまだまだ未熟ですよ……」
「はっはっはっ!君は謙虚だなぁ、でも安心したまえ…この調子で頑張ってくれれば、君の出世は約束されたも同然だ…」
「………………はぁ…」
「おっと、約束があるんだった、私はそろそろ行くよ。
…言っておくが……………くれぐれも問題なんか起こすんじゃ無いぞ?。」
「……………………」
そう言って、会長は胸を張りながら僕とすれ違う
そしてすれ違いざまに
「…期待してるからな」
…そう言って、去っていった
「……………………」
『この調子で頑張ってくれれば、出世は約束されたも同然だ』
『くれぐれも問題なんか起こすんじゃ無いぞ?』
「…………………っ…」
『先生は心から、あたしを心配してないですよね?』
『…………行きたい…』
「……………………」
色んな考えが交差する。
出世?夢?患者?想い?
期待?立場?意志?己?
医者じゃなくて……………………僕……僕…………
……僕って、彼女をどうしたい?


