苛立ってきたあたしをよそに、吉濱は何か考えてる
そして突然あたしの頬っぺたをガシッと両手で掴んで、身長が合うように屈んできた。
そして口をゆっくり開く
…黒い瞳は、暗闇の中間近で見ると銀色に輝いて見えていた
「………死ぬって…こわいよな」
「え?」
「…今、生きてるのが無意味に感じるよな」
「…………」
「自分が居なくなって皆が悲しむなら、嫌われて居なくなった方が良いって…思うよな…………
それって、辛いよな…悲しいよな……凄く怖いよな…」
そこでギュッと抱き締められた
抱き締める力が弱々しい……
だから逃げようとすれば出来るんだ
『止めて!』って、突き放すの何て簡単なんだ。
だけど、
「…うっ…!………」
だけど、
「…………っ!。」
吉濱の体温が
嬉しくて、嬉しくて、
独りじゃないのが幸せで
「…………うっ……!」
自分がどれだけ寂しかったのかを、今。やっと気が付けた気がした
「神田…」
「…………っ!う、っぅぅ…………!」
「…死ぬのが怖いんなら、もっと生きて?」
「………う…ひっく、っ……」
「…沢山生きて、飽きるほど楽しんで?それで、笑ってよ」
「っ……ひっく…うん」
「沢山笑って沢山泣いて?……独りに慣れないで……………大丈夫。神田は生きていけいる、もっともっと生きよう?」
吉濱の言葉は、どれも綺麗すぎる
綺麗すぎて
あたしの心に触れるのが当たり前かのように、 真っ直ぐに触れてきて


