「………何?」 「…俺には、お前の気持ちなんてわかんない。」 「………。」 「…心臓がどんなに痛いかも、思ったことが思った通りに叶わないって事も………分かりたくない」 『分かりたくない』 …その通りだ こんな苦しみ、 分かりたいと思う人が居るわけがない 「けど、……嫌でも分かることはある」 ――ここで冷たい風が吹いてきた あたしのように冷たい風 その冷たい風が、吉濱にもある気がした。 凄く、すっとぼけた顔してるんだけど、温もりを感じるんだけれど。 凄く、冷たかった。