話が終わって先生が出ていくと同時に、二人が入ってきた
「先生、何だって?」
「…………ううん。異常がないか、少し検査されただけ。」
「そっか。良かった…」
正樹に聞かれて、咄嗟についた嘘だった
こんなにも惨めなあたしを、正樹に見せたくなかった
「そう言えば、どうして外にいたんだ?」
「…………………」
「直人も友姫も。髪とか濡れてんじゃん…。そもそも先生の所に行ったんじゃなかったのか?」
「……………外の空気を、吸いたくて…」
嘘
「何で雨が降ってきたのに戻らなかった?」
「…………結構。遠くまで…行っちゃって。」
嘘。
「なるほどな。…これからは、あんま遠くに行くなよ」
あたし達が立ってたのは、玄関から20mぐらいの場所。
直ぐに戻れば、身体が冷えたりしないし。走るほどの距離じゃない
「うん…………………」
ごめんね。正樹。
色んなことが起きすぎて、どうしたら良いのか分からないや
いつか本当の事は言うから。
だから…………整理が着くまでは。
…………あたしの嘘に付き合って


