「おい!神田!?大丈夫かよ!?」
そう言ってあたしの背中を擦ってくる吉濱
「っ触んないで!!」
「……神田…」
嫌だった。
心臓病を侮辱された気がして
あたしはこんなにも苦しい思いをしてるのに、こんな吉濱が心臓病なのが許せなかった。
「…………うぁ…!」
もうイヤだ。イヤだ
何であたしは苦しんでるの……?
「…………っ!。」
あたしは吉濱が持っているあたしのカバンを、力づくで奪い取った
そして一気に中身を外に出す。
「…っ!………。」
あった…!
カプセル状の薬を1個袋から出して、水無しに飲み込む。
「………はぁっ…っは…」
「神田…?大丈夫か?」
「…………平気。」
「は~、良かった……」
落ち着いたあたしを見て、吉濱はホッとしている
…………さっき、生きたくないと思った。
もう、居なくなってもいいや、って思った
……けど、死にたくなかった
「…………吉濱…。」
「何だ?どっか痛いのか?」
「…違う……………あたし、生きたいよ……」
「え……」
「やだ。……死にたくなんかない…………」
……あたしは、そう思ったんだ。
だから必死になって薬を探した。
飲んだとき、『これで死なない』ってホッとした。
……あたしは、生きたいから生きてるんだ。


