「おい」
「…………………」
「なんなんだお前は、変な空気作ってんじゃねぇ」
この空気を壊してくれたのは、直人だった
普通に流れ始めた時間に、俺は「ふぅ………」と息をついた
良かった………もう。息苦しくない。
けど…まだ密かに不安が残っている。
何の不安なのかハッキリ分からない
でも､友姫と直人との仲を
切り離したくなった。
さっきの二人。
お互いに意識しまくりだったじゃねぇかよ………
怖い。
直人が、友姫を奪ってしまいそうで
友姫が、俺への気持ちを無くしてしまいそうで
「シカトしてんじゃねぇよ神田。」
「…………………別に」
二人は普通に会話してるけど。
俺の心には、なんかが突っ掛かる
「…………………」
…………大丈夫だよな？
俺の。 勘違いなんだよな？
…………そうだ。勘違いだ。
大丈夫だ。
しっかりしろよ俺
でも
…………大丈夫…なんだろうけど
…直人。
お願いだから
好きにならないでくれ…………
だって、もしそうなったら…………
どうしたらいいのかなんて。
分からない………。
