「………………あれ?」





次の日起きたら。分からなくなっていた





「ばぁちゃん。俺何でここにいんだっけ?」



「あたしゃ知らないよ。正樹が自分で決めたんだろ?」





………そうだっけ?







俺、何でこんな所にいるんだ?









何もかも、分からなかった。






自分に起きていることも、




こっちに来た理由も。







「…あのさ、あっちに戻ってもいい?」


「………正樹が良いならあたしもいいよ」







こうして俺は


簡単に、

凄くあっさりと、この町に帰ってきた。






「正樹!!」



「直人!」



「お前何で突然居なくなったんだよ!一緒に卒業出来なかったじゃねぇか!!」


「ごめん!でも俺…何でここから離れたんだっけな………」









分からない、分からない。








いや


この頃は、 違った。








『分かりたくない。』





何で? の意味を、考えたくもなかったんだ





恐ろしく苦しいものがあるんだって、自分で分かってるから。






その恐ろしい事を、思い出したくなんか無かった。