そのためなら、
友姫と生きるためなら、何も要らなかった。
「よしっ………………終わった…」
こうして俺は、中二の冬に引っ越しをした。
親には黙って、歳を偽りながらもバイトで貯めた金で、勝手にボロいアパートに引っ越した
――――やっと。本当に独りになれた。
………………そう思っていた。
「あれ?正樹君…治療費なら、お父さんから貰ったよ?」
「え………………」
「どうしたの?突然………。はい、返すよ?コレ。」
病院で治療費を渡したら、親父が既にお金を振り込んでいた。
………予定では。 親父は俺がマンションから出てった事に気付いて、また。呆れて『本当の自由』をくれるのかと思った
『全部自分でやってみるか?』
そんな綺麗事を。またやってくれるんだと。………思っていた


