「………俺は、友姫と別れてからずっと…ここじゃない場所に居た。」
「………………」
「お前を幸せに出来ない自分が嫌で………一人で。遠くにあるおばあちゃん家に引っ越した」
「…親とかは、反対しなかったの?」
吉濱は吐き捨てるように言った。
「親なんて。要らねぇよ。」
「……どうして…?」
「…大っ嫌いだ。……あんな奴ら…。」
………吉濱…
もしかして。ずっと独りで生きていたの?
「…今は……独りで暮らしてるの…?……」
「あぁ。」
「自分で、そうなるように望んだの…?」
「……………んなわけ……ねぇだろーが…」
皮肉な声でそう言って。あたしの体を少し離す
「中1の時だったな………」
「え?」
「俺が、一人になったのは………」
とっても近い吉濱の顔は、苦しそうに泣いていた
そして教えてくれた。
名前が変わった理由も。
独りで生きていく理由も。
あたしの知りたかった秘密を。全て。
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