「正樹…?」
「………………」
「………」
ピクリとも動かない………
ホントに寝てるみたいだ…
じゃぁ。呼んでみても大丈夫だよね…?
「…………陸………」
ちょっとした好奇心だった。
今までは、馴れ合わないために呼べずにいた吉濱の名前…
――――グイッ!……
「…え………………」
「っ友姫……………。」
陸って呼んだ途端。あたしは吉濱に引っ張られた
突然だったし。何より寝てると思ってたから、
全く動けずに。吉濱の腕の中へと吸い込まれていった
吉濱の香りに包まれて。人の温もりが体と触れ合う。
「………………」
「ちょ…吉濱…!…」
強く抱き締められてるから。吉濱の顔が見えないよ………
でも。何だか様子が変なのは触れただけで分かった。


