「………あたし。ずっと待ってた…」
「………うん」
「信じてくれてる正樹の為に。あの丘の上で待ってた…!」
「…うん」
でも………
「あたし、事故にあって…!車を避けようとしたらふらついて。頭ぶつけて………」
「…………」
「いつの間にか。中3の冬だった………。あたしの中では、まだ中2の5月だったのに」
「うん………」
「あたし、正樹の事。全部忘れてたの………」
「…………」
「っごめんなさい。待ってられなくて…!」
ごめんなさい。
ごめんなさい
何を言ったら良いのか。何を伝えればいいのか。
何もかも分からないの
「………ごめん…!」
…ただ。謝ることしか出来ない……。
でも。
「………っ会いたかった……!」
「……………!…」
「会いたかったよ……………!…」
ずっとずっと。貴方を待っていた
忘れてしまっても。きっとどこかで貴方を待っていた。
だってそうでもなきゃ。
こうやって思い出すことなんて…出来なかったでしょ?


