【友姫】
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「………正樹」
「…ゆ、き……?」
やっぱり。貴方が。
あたしの大好きな人
あたしは吉濱を見つめてるんだけど。
涙が出てきて。
かすんで、吉濱の顔が良く見えない…
「………こんにちは」
「………こんにちは」
『こんにちは』
その言葉は、あたし達が初めて交わした最初の言葉。
そして突然居なくなった貴方が。あの丘の上の木に書き残した。最後の言葉は。
「………うっ…!」
あの木に彫られていたメッセージは。
『好き』
それだけ。
最初は嬉しくても、後々は意味が分からなかった。
しかも、木の下で待ってても正樹は来ない。
不安になって。あたしは電話を掛けた。
すると。正樹は出てくれた
そして、一言だけ
『…友姫。信じてる』
それが。正樹の声を聞いた最後の時だった


