しばらく立ちすくんでから。ゆっくりと丘の上にある木の下へと向かう
「………………居ない…」
改めて実感すると力が抜けてきて。木の根元に座り込んだ
両手を目の上に置いて、木に寄り掛かりながら上を向く
そして思わず溢れた。俺の気持ち
「……………好き…」
――――ザアアッ……
「好きだ。………友姫」
そう呟いてから。
忘れたのか?って思ったり、
やっぱり、初対面なのに信用出来ないよな。って考え込んだり。
結構な間。俺は目を手で隠しながら考えた
「………はー…」
溜め息を着いて、何気なく両手を退かした。
「え………………」
退かして。初めて気が付いた
「………………こ、こんにちは…」
「………………は…?」
木の上から。俺を見てる
「…………友姫…!?」
「…正樹………」
友姫は。ちゃんと居たみたいだ………
木の上から俺を見つめてる友姫は。やけに顔が赤く見えた
何にそんな赤く……って
「あああ!!?」
「………………」
「き、聞いてた…よな?」
「………………」
顔をより真っ赤にさせながら。友姫はコクコクと頷く
「マジか………////…」
俺も赤くなったから、下を向いて顔を片手で隠した


