廊下のはじっこに大きな三毛猫さんがいる。

大きな三毛猫さんは僕のことを見ている。
僕はびっくりして、それからうれしくって

「おーいまってよー」

っておっきな声で三毛猫さんを呼んだ。

三毛猫さんは僕の声を聞くと、くるりと向きを変えて、それからもう一度僕の方を見てから、走り始めた。

車椅子のフミさんの頭の上をぴょんと跳び、ちいちゃんの肩の上に飛び乗った。

三毛猫さんは、ちいちゃんの肩の上からもう一度僕を見た。
僕は三毛猫さんを見失うしまいと必死で走った。

三毛猫さんは僕にこっちに来いと言っているみたいだった。

僕はやっと見つけた仲間にうれしくなってピカピカの廊下に滑りながら一生懸命走った。 
三毛猫さんは廊下を右に曲がると、階段の前の柵をぴょんと跳び越しアッという間に見えなくなった。

僕も一生懸命柵を跳び越し階段を下って三毛猫の後を追った。

階段を下りて左に行くとお洗濯のお部屋。
右に行くと会議をする大きなお部屋。
僕は右に曲がって会議の大きなお部屋にむかった。

きっとそこに大きな三毛猫さんがいるって気がしたんだ。

少し開いた会議のお部屋の扉をそっとすりぬけた。
そしたら僕はまたまたびっくりしてしまった。

会議のおっきなお部屋には、いっぱい、いっぱい猫がいた。