「そんなのっいらない…!お願い…。ヒロに会わせて!ヒロは無事なの?」




…ヒロ?

……ああ、僕が殺しちゃったあの男か。

なんであんな男の名前を出すんだ?

君の口から聞くと胸が焼けそうなほど、腹が立つんだよね。


「あんな男の名前を出すな。今度言ったら、唇ごと縫っちゃうよ?」


「…っっ」


口に手を当て俯く彼女。

涙が次から次へと床に落ちていく。

そんな君を横目に僕は立ち上がり、戸棚にしまってあった、君用の赤い首輪を取り出した。