なんとぬくいことよ。この綿入れの。 ああ 祇王太夫は玉菊様にふさわしい名じゃ。 綿入れの袖に綻びをみつけた。 そこだけ針目が いやに大きい これは! 半紙には黄金色の小判三枚! 『すくないが、三味線(しゃみ)の祝儀。おさめておくれ』 三味も琴も見事な花魁の、これはみずからの文(ふみ)。 太夫の身に何か? もう 二度とはあえない