「おかしい…一向に目覚める気配がない」

「先生、これはいったい…」

真っ白い部屋、真っ白いベッド、真っ白いシーツ。
そこに横たわるのは、目を閉じ、死んだように眠り続けるありす。
二人の男性が、ありすの脈をとり、血圧を測り、体温を測る。

「あの薬にそんなに強い効力はないはずなんだ。だから…」

いくつものチューブがありすにつながっている。

「ありすは必ず目覚めさせてみせる」

「…私も及ばずながら協力させていただきます」

二人の男性は、そう言うと、部屋から出て行った。