「そうそう、ありす。何か変わった出来事はあった?」

ツバキに聞かれて、ありすは首を傾げた。

「変わったこと?」

「そう、変わったこと。たとえば…そうね、あるはずのないものがあったり、逆にあるはずのものがなくなったり、とか」

言われてうーん、と唸る。

「あ、そういえば、ハートの女王とチェスの対決をしたんだけど、そのときに、チェスのルールとか全く知らなくって困ってたんだけど、いつの間にかチェスの本を持ってた…って、こんなのでいいの?」

ありすが聞くと、ツバキはにっこり笑って、それなら問題ないわ、と小さく答えた。

「それじゃありす、ラビーが目覚めるようにと心の中でお願いしながら、紅茶を飲ませるのよ」

「わかった」