【K.A】Alice in a BoX

ぎゅっと目をつむり、潜ってみた。
が。

「…息できる」

そっと目を開けてみたが、特に海水がしみることもなく、目の前に広がる碧い海に、色とりどりのさんご礁と魚達。

「こっちだよ、ありす」

手招きするチェシャに誘われて、まるで魚になったかのように海の中を自由に泳ぎまわった。

「素敵!こんなの初めて!」

嬉しそうに笑うありすに、チェシャははにかみながら頷いた。

「だろう?ありすにどうしても見せたかったんだ」

突然自分の常識とはかけ離れた世界で目が覚め、結婚だの呪いだのと言われて正直気持ちは沈みっぱなしだったが。

見たことも無いような綺麗な世界。
まるで映画か絵画の中に飛び込んだようで、そんな沈んだ気持ちは一気に浮上した。

「ありがとう、チェシャ」

ありすが笑って言うと、少し照れくさそうにチェシャは首を振った。

「ありすには笑って欲しかったから」

チェシャの言葉に、少しどきっとする。


…ねずみ相手に、なにトキメいてんのよ!


心の中でそうちいさく突っ込むと、自然と顔がほころんだ。

「悪くないかもね、この世界も」

ありすが言うと、チェシャは得意げな表情で笑った。

「だろう?」

そうして暫くの間、チェシャとありすは海中散歩を楽しんだ。