…―次の日 私は執事の声で目が覚めた。 ……コンコンッ ガチャッ 「心花様。おはようございます。朝食の準備が出来ております。」 「……分かったわ。すぐ行く。」 「……それと……」 そう言って申し訳なさそうに一通の手紙を差し出してくる。 「何?これは。」 「有栖川家のお嬢様から昨日お預かりしました。」 嫌な予感がする。 どうしてわざわざ手紙なんか…… 「どうして昨日渡さなかったのよ?」 「今日の朝、渡して欲しいと頼まれたので……」 私は急いで封をきる。 嫌な汗が吹き出る。