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「お母さ〜ん!!!」
そう私に呼ばれた女性は長いウェーブの考えているとかった栗色の髪をなびかせながら、こちらに近づいてくる
「なあに?心花ちゃん」
そう言って柔らかく笑う
「んとね…んとねっ」
舌足らずな口調で私は一生懸命しゃべる
「ふふっちゃんと聞くから落ち着いて?」
「うん!!…あのね、あっちにおっきな木があったの!!それでね、すっごくキレイなの!!」
「う〜ん?たぶんね、その木は桜って言うのよ」
「…さ…くら?」
「そう、桜。お母さんの一番好きなお花なの。心花ちゃんは桜好き?」
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