朝、都が委員長と一緒に行くことを知った私は、無理言って、二人に席に行ってもらうことにした。
そしたら、椎空がホールで誰かのことを待っていた。
「椎空、誰のこと待っているの?」
「はぁ~、誰ってこのマンションに住んでんの俺とまろんと都以外他に誰がいるって言うんだよ。」
「そうだね。私たちぐらいしかこのマンションに住んでないね。そしたら、誰のこと待ってんの?」
「だから、お前以外いないだろ。」
「え、私、なんで、待っててくれたの?」
「あぁ」
「ありがと」
私は、椎空に笑顔でお礼を言った。

~椎空~
俺は、都に言われて、まろんのことを待っていた。
まろんの奴、俺が待っている相手が自分だということを全然気づいていない。
どんだけ、鈍いんだよ。こいつは。

でも、こいつの笑顔が見れてよかったと思った。
でも、こいつには、待っている相手がいるんだよな。だから、ずっと彼氏を作っんなかったんどよな。
ズキッ
また、心が痛んだ。
「椎空、速く行くよ~」
「あ、あ~」
行くよって俺はお前のこと待ってたんだッつの。

~まろん~
椎空と一緒に学校まで走った。
徒歩でも、間に合ったんだけど、なんとなく、二人で歩ってんのって、なんだか恥ずかしかったんだよね。それに、椎空が待っていてくれたことに喜んでいる自分がいた。
最初は、あんなに嫌がってたのに、なんでだろ?
あ~あ、憂君がいたら、相談したいな~
いや、都っていうのもあるんだけど、都だと、騒ぎ出すからやめとくんだこういう場合はそれに、話になんなかったんだよね。前に話した時に。
だから、それ以降私は憂君に相談するようになった。
「まろん、なんかごめんね。気遣わしちゃって」
「う、ううん。別にいいよ。週に二回ぐらいは。別に。」
意地悪すぎたかな。週に二回なんて少なすぎるよね。
「ごめん「ホント。ありがとう。」」
こやつ人の話聞いてなかったな。ま~いっか。
ガラー
教室のドアの開く音がした。
ヤバ、席に着かなきゃ。
「よ~し、全員いるな。ホームルーム始めるぞ~」
今日の三条先生はやけに機嫌がよかった。
そしたら、都が「センセー、なんかいいことあったんですか」
「いや、そんな別にいいことなんて・・・」
気持ち悪。都余計なこと言うなよ。