「裕子!!あたし用事思い出したから帰んなきゃ!裕子はどうする?」 あたしは急いで裕子の腕をつかんで、早口でそう告げる。 「え!?」 裕子がいつもと違うやり方のあたしに、戸惑いの表情を浮かべる。 「ちょっ、待って!レンカちゃんっ!!」 息を切らせながら、カラオケの部屋のトビラを開けて、エイジ君が叫ぶ。 その様子に、ケン君も、アイツも、あたしたちを交互に見る。 「どうしたの、恋華!?何かあったの?」 エイジ君の声に、裕子があたしにそう聞いてくる。