「でも、限界だったんだろうな・・・」
「何がですか・・?」
「晴美、他の女子と違っててみんなから『変わり者』って言われてた」
「・・・どういうところが・・?」
「ん?・・・そうだな、正直者すぎたんだろうな、たぶん。一人でいることが好きで女子に気を使われて、『一緒にお弁当食べよう』って言われても『嫌』って。よく言えば嘘をつくのが嫌だったんだ。他人にも自分にも・・・」
「そうですか。・・でも限界って?」
「いじめだよ」
「いじめ?」
高校生にもなっていじめなんてする人いるんだな・・。
「高二の秋ぐらいから始まった。最初は晴美も動じてなかったけどだんだんエスカレートしちゃって。正直、俺知らなかったんだよ。クラス違ってたから、そのいじめのこと。晴美自身、そんなそぶりもなかったっ・・・」
北島先輩の手が強い拳に変わった。
「・・・気付いてあげたかった」


