「美咲・・・」

「あなたは・・・誰?」
「っ!!」

お父さんとお母さん・・・
その隣にいたのは知らない人・・・

「美咲?何言ってるの?星司くんだよ?」
「星・・・司・・・?知らない・・・」

初めて聞く名前
『星司』という男は椅子から立ち上がり、ココを出た

「美咲・・・ホントに星司くんのこと憶えてないの?」
「知らない・・・あの人・・・あたしにとって・・・何?」
「・・・美咲の・・・彼氏・・・」
「彼氏・・・あたしに彼氏がいたのね・・・」
「そう。星司くんは優しくて、かっこいい男の子だわ」
「そう・・・ごめんなさい・・・あたし・・・何も覚えてないわ・・・」
「それでいいの。記憶は・・・ゆっくり思い出しましょう。」
「今日はもう寝るんだ。」
「うん・・・オヤスミ・・・」

あたし寝た
なんとなく・・・『星司』という名前を聞くと、心が落ち着いた






朝・・・
看護婦さんが朝食を持ってきてくれた

「おはよう、美咲さん。気分はどう?」
「おはようございます。だいぶよくなりました」
「それはよかった。朝食、食べれそうなら食べてね。
それじゃあ、後で取りに来るわ。」
「はい」

ご飯をテーブルにおいて看護婦さんは出てった


その時・・・
       ガラッ

「美っ咲ー☆」
「・・・」

星司って人と・・・

「俺、美咲の友達の佐乃 翔!憶えてる?」
「佐乃・・・あ・・・」
「何々?!」
「知ってる・・・イケメンの・・・」
「っ!!」
「そう!・・・あ・・・」
「?どうしたの?」
「あ。いや・・・コイツのこと・・・憶えてないんだよね・・・」
「う・・・うん・・・」
「・・・」
「あ、あのっ!!か、必ず・・・星司くんのこと・・・思い出すからッ・・・」
「美咲・・・」
「そ、それまで・・・待っててくれませんか・・・?」
「・・・うん・・・」

悲しそうな目・・・表情・・・
あたし・・・星司くんの彼女なんだよね・・・
情けない・・・