ライラックの咲く頃


「聞こうと思ったけど、ミントくんから聞かないでくださいオーラが出てたからやめといた。」

由香は余裕のない笑顔で笑って続けた。

「きっといろいろあるんだよ……ミントくんにも。愛莉にはそのうち話してくれるんじゃない?あんま聞かない方がいいかもね。」

「うん……。」

ナニカアッタノダロウカ。
ミントに逢った時からそう思っていた。

私も家出したようなものだから、ミントを放ってはおけなかった。

ミントを見つけた時、
暗くてもよくわかった。
ミントは泣いていた。