私の夕食を奪っておいてまだ何か食べたいようだ。

「……カップラーメンでいい?」

「えっいいの?ありがとー」

明るい場所で初めて彼の笑顔を見た。
意外と可愛い。

私は台所の下から買い貯めしておいたカップラーメンを2個取り出した。

いつもより多目にやかんに水を入れる。

「あの……ホントにいいの?」

自分からあんなに頼んだくせになに言ってんだ。

「俺、何処で寝ればいいかな?」
狭い3Kの部屋を見回している。
コンロで火をつけて、私はテーブルを挟んで彼と向かい合うように座布団に座った。

「あのさ、その前にあんた誰?」

「え?俺?」

お前以外に誰がいる。