ジンが土下座をしている間に手際よく片付け終えた侍女たちはさっさと部屋を退出する。
キリエも「何かありましたらいつでもお呼びくださいまし」と言って静かに退出した。
「そういえば、なんでレオはマントが青いの?」
アリーナはふと気づいた素朴な疑問をレオドールに尋ねた。
「ああ、これは俺が隊長という証のようなものだ。マントまで同じだと隊員と区別がつかないからな」
たしかに、そうだ。
アリーナは納得すると、改めてレオドールの姿を眺める。
基本、隊員と変わらないが若干ゴージャスな隊服はレオドールの高貴な雰囲気にぴったり合っている。
まさに、《白馬の王子様》だ。
街中の女の子たちが彼に夢中になるのも頷けた。
「これから俺たちはダークライトと組織のことについて上部に報告しに行かなければならない。それで、悪いんだがアリーナも一緒に来てほし……―――――」
「どうしたの?レオドール」
唐突に口をつぐむレオドールにアリーナは訝しげに問いかけた。
「…いや。気のせいだといいんだが、猛牛の足音が聞こえないか……?」
「――――え?猛牛?」
その言葉に誰しもが頭に?を浮かべた。
ルイスやジンにいたっては「とうとう頭がイカれたか?」という目付きで見てくる。
「――いや、やはり俺の気のせいだ。気にしないでくれ」
レオドールは頭を振り、嫌な予感を追い払った。
しかし、嫌な勘ほど当たるというものでこの日も見事に彼の勘は当たったのだ。
