恋愛至上主義

私の抵抗なんて関係ないかの様に
近づいて来る彼に言葉でも抵抗した。

はずだったのに…
いつの間にか、先程よりも近づいて
きた彼が目の前にいた。

「やだなぁ。俺たちキスまでした
仲でしょ。希センセ?」

彼は私の顎に手をあてグイッと
自分の方を向かせた。

ここは車内で誰に見られるかわからない。
でも、誘惑するような彼の声と男物の香水
に混じったタバコの匂いに私は強い力で
押し返すことが出来なかった。

「あっ、こ、こんなとこで…」