恋愛至上主義

次の日の朝、昨日のように
電車に揺られ希は学校に向かった。

それにしてもすごい人。
もう少し早い電車にしようかしら。

電車の中で背のあまり高くない私は
目の前のスーツ姿のおやじを見上げ
ながら考えていると、読書をしながら
立っている三ノ宮葵の姿が目に入った。

それは、誰が見ても絵になると思う
くらい様になっていた。

うわぁー。イケメンって何しても絵に
なるんだなぁ。

私があまりにも彼を見つめていたのか
彼と目があってしまった。

あっ、ヤバイ。気づかれた。

なんて私が思うよりも早く、彼は器用に
人の網を潜り抜け、私のところまで来た。