恋愛至上主義

「先生さ、昨日、うちの
バー来てたよね?
"彼氏が浮気した"って。」

笑顔のまま話かけてきた。

「えっと、それは、間違い
じゃないかな?」

しどろもどろになりながら、
私は身の危険を感じ後ずさり
した。

「ううん。絶対に間違いじゃないよ。
俺が間違えるわけないし、
それに…」

彼は、私の髪を一束すくった。

「この匂いだったもん。」

"もん"だなんて可愛い言い方だけれども
実際の行動は全然可愛くない。