恋愛至上主義

「あっっ…」

私は思わず声を漏らしてしまった。

「どうかした?」

藤堂先生の声が横から聞こえるけど、
私は彼から目を離せなかった。

「桐谷先生?」

藤堂先生の不思議そうな声で我に返った。

「あ、いえ、なんでもないです。」

藤堂先生はまだ不思議そうな顔をしていた
けれども、それ以上は何も聞いてこなかった。

その後、教室を出ても彼のことが頭から離れ
なかった。