君には、絶対に…

9月28日。
生憎の大雨の中、俺達は地元のファミレス前に集まり、みんな揃ってから中に入った。

ファミレスの店員に、6人用の席に通されたのだが、席に向かう最中、どう座るか悩んでいた。

やっぱり男女別で座った方が話しやすいかなとか、でも、今井さんの横に座りたいなとか、本当に色々と考えた。

「ここは男女―――」

「じゃあ、俺が未来ちゃんの隣に座るから、3人でそっちに座って。」

未来先輩も同じことを考えていたみたいだったけど、珍しく、将人が未来先輩の横をキープすると宣言した。

その言葉を聞いて、1番不満げなのは、もちろん、睦だった。

「おいおい、それはずるいぞ~!将人~!」

「そうだよ、将人君。ここは、男女別に座った方が…。ねぇ?今井さんも楽だよね?」

何だろう、このぎくしゃくした空気…。

いつもだったら、将人は雰囲気を壊したりしない。

どちらかと言えば、誰よりも空気を読んで行動するのに、今日は違う…。

そんな将人にみんな戸惑っていた。

でも、みんなが戸惑っているのを尻目に、将人は早々と席に着き、何も言わずに未来先輩が席に座るのを待っていた。