君には、絶対に…

「洋介~!電話よ~!」

ベッドに寝そべっていたこともあって、眠りかけていた。

そんなところに、1階から母親が俺を呼ぶ声が聞こえた。

♪~♪♪~♪~
その直後、俺の部屋に置いてある子機が鳴り出した。

「はい、もしもし?」

今までこんな時間に電話してくる人なんて思い当たらず、色々と考えている中で電話が来たから、俺は少し不機嫌になっていた。

「あ、あの…伊原君?私、今井だけど…。」

「え!?い、今井さん!?あ、ど、どうしたの!?」

まさか今井さんから電話が来るとも思っていなかったし、こんな日が来るなんて考えたこともなかった。

だから、本当に驚いているし、その分嬉しい気持ちがあって、俺は舞い上がってしまう。

そんなテンションの俺とは対照的に、今井さんの声は少し緊張しているというか、暗い感じに聞こえた。

「特に用事とかないんだけどね…。ただ、伊原君と話したいなぁって思って電話したんだけど…迷惑だった…?」

「迷惑なんてことないよ!?今井さんと話せて、俺も嬉しいしさ~!」

「良かった!初めて男の子の家に電話したし、伊原君のお母さんとか出るかも知れないって思ってはいたけど、本当に出てすごく緊張したんだよね。」