君には、絶対に…

その後、当然のことながら、3人でバスケをやったわけだけど、面白くも何ともない。

片やうちの中学のバスケ部で、1年にしてレギュラーの2人、片や、ド素人の俺だ。

楽しみようなんてあるわけがなかった。

そんな日から、もう2度と好き好んでバスケなんてやらないと思っていたのに、半ば強制的に体育館に連れて行かれては、とことんバスケをやらされた。

でも、回数をこなしていくうちに、自分でも巧くなっている実感が沸いてきて、バスケにのめり込んでいる自分に嫌でも気付いた。

両手でしかシュート出来なかったのに、片手でシュート出来るようになったり、届かなかった場所からシュートが届くようになったり…。

少しずつでも上達していると思えるたびに、内心今までに感じたことないような充実感があって、楽しく感じるようになっていた。

そして、気付いたら、バスケ部でもないのに、毎日好き好んでバスケの練習をするようになっていた。

バスケをやるようになって、3ヶ月ぐらい経ち、しょっちゅうバスケ部の勧誘にあった。

でも、俺はバスケ部には入らないと、バスケを始めた時から思っていたんだ。

一緒にやればやるほど、2人との実力の差が分かる。

そんな2人のいるバスケ部に入ったって、通用しないのも分かるし、練習についていくことすら出来ないと思ったから。

そんな俺に2人は地元で行われるバスケの大会の話を持ち出してきたんだ。