君には、絶対に…

『ダム…ダム…ダム…。』

この試合は、うちのチームからのオフェンスで、睦が慎重にドリブルしているように見えた。

睦がドリブルをしながら、一瞬俺を見たから、俺は全力で3Pラインの外に出る。

『パスンッ!』

俺がラインの外に出るのと同時に、睦からパスが来た。

左か?いや、右の方がリングまで一直線で行けるか?

俺はどっちから抜きにかかるか一瞬考えて、すぐ右側からドライブを仕掛けようと右足を前に出した。

右足で思いっきり踏み込んだ瞬間、俺はその場に倒れ込んだ。

あれ…?滑った…?いや…滑ったとは違う感覚が…。

俺は倒れた拍子にボールを手放してしまったけど、運良く将人がボールを拾ってくれて、そのままシュートした。

「どんまい、どんまい!スリップはよくあるさ!結果オーライだしな!」

スリップ?いや、違う…。膝が抜けたような…。

『パスンッ!』

俺がディフェンスについている人にパスが来た。

とりあえず、試合序盤だし、1本でも多く止めて、試合の流れを引き寄せなきゃいけない。

だからこそ、この最初のオフェンスは、何が何でも止めようと思いながら、俺は重心を低く、腰を低くして相手の出方を見ていた。

やばいな…。何だ?やっぱり右足が…。

俺がそう思った瞬間、相手が俺の右側にドライブを仕掛けてくる。

俺は咄嗟に右足を後ろに出そうとした時、また俺はその場に倒れ込んだ。

俺はちょっと焦りながら立ち上がってみると、将人がカバーに入ってくれていたから、俺は急いで空いている人にディフェンスについた。

何なんだよ…!震えが止まらねぇ…!

試合前以上に、俺の右足はガクガクと小刻みに震えていて、試合に対する集中力が少しずつ落ちてきていた…。

何とか集中しようとしてはいるんだけど、試合が進むにつれて、震えは酷くなってくる…。

そして、俺が要所でミスをしているから、点差をつけるどころか、16対14と引き離せずにいた。