君には、絶対に…

「がっかりした…?」

「してないよ。仕方ないじゃん?過ぎたことを言ったってさ。」

「ごめんね…応援してくれたのに…。」

「また機会はあるよ!俺なんかのことは気にしなくて良いから、前向きにまた頑張ろうよ!ね!?」

自分でもさっきとは違った声のトーンになろうとしていることは分かった。

でも、ここで声が弾んだりしたら、雪乃ちゃんを傷つけてしまうし、俺の本当の気持ちがバレてしまうと思ったから、必死で弾む気持ちを隠した。

「あ、そうだ!伊原君、家に帰ってから鞄開けた?」

「え?開けてないよ?何で?」

「開けてみて。」

家に帰ってきてから今まで、ほぼ放心状態だったから、鞄なんて開けるわけもなかった。

そもそも今日は学校に行ってもいないから、今日初めて俺は自分の鞄を開けた。

開けてすぐに、見慣れない袋が入っていることに気付いた。

俺は不思議に思いながら、その見慣れない袋を開けた。