君には、絶対に…

「じゃあ、俺は帰るわ!また明日!」

「え…!?あ、伊原君!?」

俺は後ろを振り返ることなく、急いでその場を後にした。

睦は雪乃ちゃん付き合うことなんて考えてもいないと思う。

だから、睦が雪乃ちゃんと付き合う可能性なんて、俺が雪乃ちゃんのことを好きだと知った時点でなくなったと思って良いと思う。

でも、もし付き合うことになったら…って思ったら恐くなった。

今までの関係が壊れてしまう瞬間を見たら、雪乃ちゃんの幸せそうな笑顔を見たら、どうしたら良いのか分からなくなるような気がしたんだ…。

だから、俺は逃げるようにして家に帰った…。