君には、絶対に…

歩きながら、まだ時間が早すぎたこともあって、どこの店も開いてないことに気付く。

だからって引き返すことはなく、こんな日だからこそ少し遠出することにした。

あんまり近場で買い物をしようにも、見つかってしまうかも知れないっていう不安があったし、そういうことを考えずに買い物したいと思ったんだ。

電車に揺られること1時間足らず、横浜までやってきた。

午前9時を過ぎたぐらいだからなのかは分からないけど、駅前はものすごく混んでいて、歩くのも大変だった。

「ここが横浜かぁ~!私ね、横浜って来たことないんだ~。東京だったら、だいたい分かるんだけどね。」

「俺もあんまり来たことはないんだけど、ここまで来れば色んな物見られるから、きっと良い物見つかるよ。」

雪乃ちゃんは初めての横浜らしく、目をキラキラさせながら、すごく楽しそうにしていた。

そんな雪乃ちゃんの横にいるだけで、俺も自然とワクワクしていた。